トランプの貿易戦争が原因で「Apple Intelligence」の中国導入が遅延

トランプの貿易戦争が原因で「Apple Intelligence」の中国導入が遅延

Appleが中国での「Apple Intelligence」導入を進める中、トランプ前大統領による関税政策を発端とする貿易摩擦が影響し、その展開が遅れている。

Appleは現在、中国で「Apple Intelligence」と呼ばれる生成AI機能群をiPhoneに導入するため、Alibaba(アリババ)と提携して取り組んでいる。しかし、両社が協力して進めていたこの計画は、当局の承認を得られず、導入が延期される事態となっている。

規制当局の承認得られず

英Financial Timesが水曜日の朝に報じた内容によると、AppleおよびAlibabaが提出したAI機能の提供申請は、中国のインターネット監督機関「国家インターネット情報弁公室(CAC)」の承認を得られていないという。中国では法律により、このような新機能をリリースするには事前の規制当局の許可が必要であり、Appleはそれが得られない限りiOSへの搭載ができない。

報道の情報筋2人によると、この承認のブロックは中国と米国の緊張の高まりが原因だという。とくに、トランプ政権によって発動された貿易戦争と関税の応酬が主な要因とされている。

Appleにとっての損失

Appleにとってこの承認の遅れは、販売回復のチャンスを失う痛手となる可能性がある。他のスマートフォンメーカーはすでに独自のAI機能を搭載しており、中国市場でのAI競争力においてAppleはさらに遅れを取る可能性がある。

関税問題の深刻化

規制当局は表向きには関税報復との関連を明言していないが、中国が米国の動きに対して報復措置を取る前例があるのは確かだ。特に、2025年に入ってからの動きを見るとその傾向は顕著だ。

4月の「解放記念日」には、米国がほぼすべての国に対して「相互関税」を導入。中国には最大の34%相互関税が課され、合計輸入関税は54%に達した。

これがきっかけとなり、中国と米国は関税の応酬を激化させ、最終的に米国は中国に対して145%の関税、中国は米国に対して125%の関税を課す事態に至った。

Appleはこの関税応酬の中で、通常の輸入関税ではなく「半導体関税」が適用されることで一部恩恵を受けたが、中国側はさらに強硬な対応を行った。

4月14日には、中国政府が希土類(レアアース)や磁石などを輸出管理品目に指定。これらの鉱物は、特にハイテク製品の製造において世界的に重要な供給資源であり、輸出には政府の許可が必要となった。

5月中旬、交渉の兆しも

5月中旬には、両国が新たな貿易合意を模索するための交渉に入る姿勢を見せ、多くの関税措置が一時的に緩和された。

それでも、米国はAppleに対して中国からの生産撤退と米国内回帰を引き続き強く要請している。

このような米国からの要求に対する中国側のこれまでの対応を考慮すると、今回のApple Intelligenceの導入遅延も何らかの報復的な側面を含んでいると見る向きが強い。

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