App Store、2024年に世界経済へ1.3兆ドルを貢献

App Store、2024年に世界経済へ1.3兆ドルを貢献

Appleが支援した調査により、App Storeが2024年に1.3兆ドルの経済効果を生み出したことが明らかになった。このデータは、各国政府がApp Storeに対する規制を進める中で、Appleが自社の立場を主張するための主要な論点として活用される見込みだ。

Epic Gamesとの米国での法廷闘争や、欧州連合のデジタル市場法(DMA)がAppleのApp Storeモデルに異議を唱える中、Appleに注目が集まっている。司法は繰り返し、App Storeの運営方針に対して疑義を呈しており、その対立は臨界点に達しようとしている。

そうした中、Appleは、経済学者のジェシカ・バーリー博士とアンドレイ・フラドキン教授によるグローバルなApp Store経済調査を公表した。調査には「Appleによる支援があった」と明記されているが、具体的な支援内容は不明。また、「結論および意見は著者ら自身のものである」とも明記されている。

この調査は、App Storeの存在が2024年の世界市場にどのように貢献し、2019年以降どのように成長してきたかを複数の主要指標で示している。木曜日に公開された今回の調査は、5月29日に発表された米国限定のレポートを拡張したもので、グローバル経済全体を対象としている。

なお、Appleは本調査のカテゴリーがApp Store内のカテゴリ分類とは一致しないこと、また1.3兆ドルの総額にはApple純正アプリやGoogle Chromeなどのブラウザ経由の取引は含まれていないことを明示している。

また、広告カテゴリについては、開発者が出稿した広告のみが対象となっており、広告ネットワークやWeb広告、検索広告などは含まれない。

Appleはさらに、App Storeエコシステムが促進した1.3兆ドルの売上・請求のうち90%以上に対して、自社は一切手数料を徴収していないと強調。これは、App Storeで一定の手数料徴収を続ける正当性を訴える上で重要なポイントとなるだろう。


2024年 App Store 調査の主な指標:

  • 総請求・売上額:世界全体で1.3兆ドル

  • 物理的商品:1兆ドル、デジタル商品:1310億ドル、広告:1500億ドル

  • デジタル商品・サービスの成長率:109%

  • 物理的商品・サービスの成長率:162%

  • アプリ内広告収益の成長率:131%

  • App Storeエコシステムの成長:2019年の5140億ドルから2024年の1.3兆ドルへ

  • 地域別内訳:米国4060億ドル、中国5390億ドル、欧州1480億ドル

App Store、2024年に世界経済へ1.3兆ドルを貢献

Estimated billings and sales facilitated by the App Store 2019 to 2024. Image source: Apple

17ページのPDFには、調査結果が9ページ、付録はグラフ1ページ、残りの5ページは調査手法の詳細で構成されている。内容全体は、Appleの現在のApp Storeビジネスモデルが世界経済や開発者にとって有益であることを主張するものとなっている。

出典としては、Statista、Comscore Media Matrix、Statcounter、Omdia、JP Morganなどが挙げられている。


Appleと開発者の関係における問題

しかし、この数字は必ずしも声の大きな一部の開発者たちの感情を反映していない。多くの不満を持つ開発者たちは長年にわたり、Appleの手数料体系に対して批判を繰り返し、より柔軟で公平な課金モデルを求めてきた。

App Storeが世界中の商取引の大きな原動力であることは明白だが、こうした数字を見ても、手数料を支払っているわずか10%の開発者たちが全体を支えているとは言い難い。

むしろ、これらのデータはAppleがプラットフォームの収益化に非効率的であるという主張に利用される可能性もある。より多くの商取引が適切にマネタイズされていれば、個々の開発者への負担を軽減する余地もあるはずだ。

小売ソフトウェアの収益構造に比べればAppleの手法はまだましだと言われるものの、「開発者の売上から一定率を徴収する」モデルは、もはや開発者にも政府にも裁判所にも支持されていないように見える。例えば、Netflixのような企業が年間わずか100ドルでApp Store上に存在できる一方で、ゲーム開発者は収益の30%をAppleに支払っている。

App Store、2024年に世界経済へ1.3兆ドルを貢献

以前から指摘されていることだが、Appleが取るべき最も明快な選択肢は、開発者ツールへのアクセス費や年間定額料金、その他の収益源の多様化であろう。App Storeが年間1.3兆ドル規模の経済を形成している今、かつて有効だった「30%の一律手数料」や「年間100万ドル以下は15%」という枠組みは、時代遅れになっている。

Appleは新たなApp Store経済モデルを模索すべきであり、そうしなければ各国の規制当局がそれを強制することになるだろう。今回のレポートは、法廷でのAppleの主張を後押しする材料になり得る一方で、逆に事態を悪化させる可能性も秘めている。

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