Apple、2024年に不正対策で数百万のアプリを却下
Appleは2025年5月に公開した「App Store透明性レポート」によると、2024年に193万件のアプリ提出を却下したことが明らかになりました。この年次レポートは、AppleがApp Storeのポリシーをどのように施行し、グローバルプラットフォーム上のコンテンツを管理しているかを示すものです。
Appleは2024年に約770万件のアプリ申請を審査し、そのうち190万件以上を基準未達として却下しました。約4件に1件が却下されたことになり、主にパフォーマンス、デザイン、またはビジネス慣行に関するルール違反が理由でした。
その他の却下理由としては、スパム、法令順守違反、Appleのルールを回避しようとする行為なども含まれます。Appleはまた、2024年に82,509件のアプリをApp Storeから削除しました。これらは多くがApp審査ガイドラインまたは開発者プログラム使用許諾契約に違反していたためです。
ユーティリティアプリが最多の削除対象に
削除されたアプリの中で最も多かったのはユーティリティ系で、16,000件以上が削除されました。次に多かったのがゲームです。特にデザイン関連の問題が原因で42,252件のアプリが削除されており、その多くが模倣行為や古い機能に起因しています。
不正行為が開発者アカウントの停止につながる
開発者は削除に対して異議申し立てを行うことができますが、その成功率は低く、26,224件の申し立てのうち、復元されたのはわずか421件で、成功率は1.6%でした。
Appleは2024年に146,747件の開発者アカウントを停止しましたが、そのうち146,583件は不正行為に関連していました。申し立てにより復元されたのはわずか225件にとどまります。

Apple rejected nearly two million apps in 2024. Image credit: Apple
また、Appleは約1億2900万件のユーザーアカウントも停止し、不正の可能性がある取引20.2億ドル分をブロックしたと報告しています。これらの多くは、以前に禁止された開発者との関係や、詐欺的なビジネス慣行によるものでした。
中国がアプリ削除要請件数で世界最多に
Appleは2024年、政府から17,309件のアプリ削除要請を受けました。そのうち中国本土が13,071件を占め、群を抜いて最多でした。Appleによれば、このうち1,131件は、中国の法律で義務付けられているGRNライセンスを取得していないゲームでした。
その他の国からの要請は比較的少なく、ロシアは171件、韓国は79件、インドは34件でした。Appleはこれらの削除は要請元の地域に限定されて適用され、他の地域ではアプリは引き続き利用可能だと述べています。
App Storeの規模と利用動向
App Storeには年間平均で週8億1,300万人の訪問者があり、アプリの平均ダウンロード数は週8億3,900万件にのぼりました。しかし再ダウンロードの方が新規インストールよりも多く、週あたり約19億件に達しています。
アプリのアップデートの大半はバックグラウンドで自動的に行われ、手動でのアップデートは6億3,800万件に対し、自動アップデートは週あたり660億件以上でした。

China leads global takedown demands. Image credit: Apple
検索はアプリ発見の主要手段の1つであり、毎週約4億4,100万件のカスタマーアカウントがApp Storeの検索を利用していました。1000回以上の検索でトップ10に表示されたアプリは130万件以上にのぼります。ただし、Appleはそのランキングアルゴリズムについては説明していません。
Appleの報告書が示す透明性と規制への対応
2024年版の透明性レポートは、Appleが世界的に強まる規制圧力に適応しつつあることを背景に公開されました。EUでは「デジタル市場法(DMA)」により、Appleはアプリ配信や決済方法に関して方針変更を迫られています。
米国でも、開発者や議員からプラットフォームの独占や手数料構造に対する批判が続いています。AppleはApp Storeを「安全で信頼できるマーケットプレイス」と位置づけていますが、このレポートは、その運営の複雑さと、品質維持のためのトレードオフを明らかにしています。
ユーザー保護と品質維持の努力には、透明性や開発者の柔軟性、そしてグローバルなアクセシビリティの面での課題が伴います。
