
ジョニー・アイブ氏とサム・アルトマン氏によるスタートアップ「io」は、2025年5月にアルトマン氏のOpenAI社によって買収され、新たなAIデバイスの開発に取り組んでいる。この「io」社は買収される前、スティーブ・ジョブズ氏の妻であるローレン・パウエル・ジョブズ氏から出資を受けていた。
フィナンシャル・タイムズの最新インタビューにて、アイブ氏はパウエル・ジョブズ氏がApple退社後の自身の活動、特にデザイン会社「LoveFrom」設立において極めて重要な存在だったと語った。
「もしローレンがいなかったら、LoveFromは存在しなかっただろう」とアイブ氏は述べている。
二人は1990年代、パウエル・ジョブズ氏とスティーブ・ジョブズ氏の自宅で初めて出会ったとされる。そして今回のインタビューでは、テクノロジーが必ずしも人類にとって善であるとは限らないという懸念についても語られた。
パウエル・ジョブズ氏は次のように語った。
「今でははっきりと分かっています。ある種のテクノロジーには、暗い使われ方があると。若い女性や若者の不安、そしてメンタルヘルスの必要性の増加に関する研究を見れば、私たちが間違った方向に進んでしまったことが分かるでしょう。」
「もちろん、そうなるように設計されたわけではありません。でも、それが結果的に起きてしまったのです。」
アイブ氏もまた、テクノロジーが善意で設計されていたとしても、予期せぬ結果を生むことがあると同調した。世界を変えたiPhoneの設計者である彼自身、自らの仕事にもそうした責任を感じているという。
「何か新しいものを作ると、予測できなかった結果が生まれる。それが素晴らしいものもあれば、有害なものもある。」
「否定的な結果が意図的でなかったとしても、私は責任を感じています。そして、それに対する姿勢として『有益であろう』という強い決意があるのです。」
なお、OpenAIが開発中の新しいデバイスの詳細については、アイブ氏もパウエル・ジョブズ氏も多くを語らなかったが、パウエル・ジョブズ氏はその開発過程を注意深く見守っているという。
「全く新しいものが形になっていくのを目にするのは、本当に驚くべき体験です。」
このインタビューでは、アイブ氏がサンフランシスコ再開発プロジェクトに個人的に投資していることや、パウエル・ジョブズ氏が破綻寸前だったサンフランシスコ美術学院を救済したことなどにも触れられている。
また、二人の長年にわたる友情についても語られた。
「年を重ねるにつれて、私にとって大切なのは『何を』ではなく『誰と』ということになってきました。ごくわずかな大切な人間関係は、年々、かけがえのないものになっていきます」とアイブ氏。
なお、アイブ氏とパウエル・ジョブズ氏、そしてティム・クック氏の三人は、2022年に「Steve Jobs Archive(スティーブ・ジョブズ・アーカイブ)」を立ち上げている。
